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【APRCの「China Rally」にコ・ドライバーとして参戦!】
アジアと環太平洋地域を転戦するFIA(国際自動車連盟)のエリア選手権がAPRC(FIAアジア・パシフィック・ラリー選手権)。奴田原文雄選手も1999年と2003年に本格参戦を果たし、2003年にはシリーズ2位を獲得しています。

2011年は全日本ラリー選手権も併催された「Rally Hokkaido」など、全6戦のカレンダーが組まれていましたが、その最終戦となる「China Rally」に奴田原選手が参戦しました。ただし、今回の参戦はコ・ドライバーとしての出場だったところが注目を集めました。
これまでにもTEAM SHOWからパイクスピークやアジアクロスカントリーラリーにコ・ドライバーとして参戦したことはありますが、奴田原選手が日頃戦っているスピードラリーでは初めての経験。

果たしてどんな展開となったのかを、奴田原選手にレポートしてもらいましょう!



「今回のAPRC参戦は、急遽決まったものでした。マジカルカーボンでお馴染み、ハセプロの社長でもある長谷川智秀選手はAPRCをシリーズで追っているのですが、大会を前にしてコ・ドライバーとしてのオファーをいただきました。

ただし、その内容は単にコ・ドライバーとして手伝って欲しいというものではなく、ドライビングや戦い全般のマインド的なものまで、幅広いアドバイスを含めたリクエストでした。

中国のロンユーにはドライバーとしての出場経験はないものの、競技のフォーマットも決まっていますし、特に違和感を覚える部分はありません。ただ、いつもなら座っているドライバーズシートではなく、その隣のコ・ドライバーズシートが指定席というのが最も違和感を感じる部分だったかもしれませんね(笑)。
もちろん現地に行く前は多少の不安もありましたが、実際にはいつもコ・ドライバーと一緒に戦っているわけで、隣でやっていることはドライバーとしてだいたい見ているわけです。

コースは狭くてツイスティな感じで、コンクリートの粗い舗装路面もあったりします。これがスリッピーで難しく、かつハイスピード区間もあって、これらをラリータイヤで走るというシビアな戦いとなります。

そこでコ・ドライバーとしては最も重要なペースノート、これを高速セクションからトリッキーな区間に移るような場面で、いかにしっかりとドライバーに伝えられるかがポイントになります。こうした点については、逆にドライバーの立場でどんな情報をどのタイミングで欲しいかという気持ちが解るので、適切に仕事を出来たのではないでしょうか。

ブログには『右と左を言い間違えた』と記したりもしましたが、その理由は読む言語にあります。今回はペースノートを日本語読みしたのですが、普段は英語読みで走っています。ペースノートにも右コーナーならR、左コーナーならLと記してあって、これを一旦頭の中で日本語変換して口にするのですが、時につい口を突いて逆の言葉が出てしまったりもしました。もちろん「右…、じゃない左!」というように間髪入れず訂正しましたから、大きなロスにはつながりませんでした。

長谷川選手はラリーを初めて日が浅いこともあって、これからまだまだ経験を積んで速くなっていくと思います。ただ、忙しい中で真剣にラリーに取り組んでいるので、上達のスピードは速いですね。今回も初日と最終日では走りが確実に進化していました。これはちょっとしたアドバイスで、なにか迷っていたことや悩んでいたことの答えを見つけた、ということなんでしょうね。
特に今回のようにコ・ドライバーとして乗ると、的確なアドバイスも出せるので良かったですね。

今回改めて思ったのは、コ・ドライバーは色々な仕事があって忙しいな、ということ。特にこれまでのヒルクライムやクロスカントリーと違い、ペースノート作りにはじまり、秒単位でのスケジュール管理や細かい仕事がとても多かったですね。ただ、こんなことを言うとレギュラーのコ・ドライバーさんたちに叱られるかもしれませんが、ドライバーよりも精神的には楽なのかな、とも思いました。やはり、最後に車を動かしているのはドライバーですからね。

さて、最後にコ・ドライバー奴田原文雄の自己採点をして、レポートを締めくくりましょうか。
自分がドライバーとして一緒に戦ったとして、コ・ドライバーのヌタハラ選手には何点をあげようか? それはやっぱり、100点ですね!
なぜ100点なのかって? 自分としては、自分がドライバーだったらこうして欲しい、ということをベストを尽くして取り組んだから、やっぱり文句無しで自己採点は100点なんですよね(笑)」
2011年11月17日