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OUTLINE
 
2018年 全日本ラリー選手権 第2戦 「ツール・ド・九州2018 in 唐津」
開催日程
2018年4月6日(金) 〜 8日(日)
開催場所
佐賀県・唐津市 近郊
主   催
グラベルモータースポーツクラブ(GRAVEL)
競技内容
総走行距離 370.66km / SS(スペシャルステージ)数 14本 / SS総距離 76.08km / ターマック(舗装路)
天候/路面
LEG 1 : 雪 時々 曇り/ハーフウェット〜ウェット   LEG2 : 晴れ/ドライ
参加台数
42台 (オープンクラス含)
RESULT
総合成績 : 優勝 / JN-6クラス成績 : 優勝


SS1
3.84km
SS2
9.42km
SS3
1.47km
SS4
1.47km
SS5
3.84km
SS6
9.42km
SS7
3.84km
SS8
9.42km
LEG1
42.72km
(6) 3:09.0
(5) 7:26.8
(1) 1:17.6
(3) 1:22.3
(2) 3:13.1
(2) 7:22.2
(2) 3:10.6
(2) 7:21.4
(2) 34:23.0

SS9
3.70km
SS10
9.18km
SS11
3.80km
SS12
3.80km
SS13
3.70km
SS14
9.18km
LEG2
33.36km
(3) 3:41.6
(4) 8:10.2
(1) 2:43.4
(1) 2:41.8
(2) 3:39.1
(2) 8:01.0
(2) 29:57.1

Total
76.08km
(1) 1:03:20.1


カッコ内はステージタイム順位。
NUTAHARA'S REPORT COMMENT
2月に群馬県で開催されたウィンターラリーで開幕した、2018年の全日本ラリー選手権。この大会をスキップした奴田原文雄選手は、佐賀県唐津市を舞台とする第2戦「ツール・ド・九州2018 in 唐津」でシーズンインを迎えた。コンビを組むのは佐藤忠宜選手、マシンも熟成の域に達している三菱・ランサーエボリューション]、メンテナンスを行うチーム母体は名門・タスカエンジニアリンクと、昨年までと同様の布陣でタイトル奪還を目指す。
 
ちなみに奴田原選手組が駆るランサーはRed in BlackのADVANカラーでお馴染み。昨年は横浜ゴムの会社創立100周年ということで記念ロゴマークがルーフに貼られていたが、今年はADVANブランド誕生40周年ということでこちらを記念するロゴに差し替えられている。
 
2018年は桜前線も早めに日本列島を縦断、東京も既に満開を終えて花見シーズンも終了というタイミングでの唐津ウィーク。佐賀県地方も既に葉桜となり、金曜日には春の嵐というような風雨に見舞われたことから、花びらもほぼ散ってしまった。

雨となった金曜日のレッキ、恒例の「林の上」や「三方」といったSS(スペシャルステージ)だが、昨年までとは異なり久しぶりに逆方向で使われる箇所も多いことから奴田原選手組も念入りにレッキを行った。

レッキから帰って、今年久しぶりにサービスパークとなった松浦河畔公園では15時30分から救急救出訓練が行われる。車内に負傷して取り残されたケースを想定し、ドライバーをコ・ドライバーが救出するという実技を、大会医師団長などの指導で行うものだが、この訓練が行われたころには雨も止んで夕陽も顔を覗かせていた。天気予報では金曜は雨だが土日は回復傾向、明日からの戦いはドライコンディションになると誰もが思って床についたのだが……。
 
一夜明けた4月7日(土)は、午前8時から唐津神社で恒例の安全祈願。奴田原選手組も出席したが、選手たちは一様に厚手の上着を着込んでいた。もちろんセレモニアルスタートで声援を送ってくれた市民も厚着姿、口々に「今日は冷えるね」という会話が交わされていた。そしてこのころ、選手たちを待ち受ける唐津市七山地域のSS(スペシャルステージ)では、白い雪が舞い始めていたのだ。
 
地元のオフィシャルさえも驚きの声を上げた、季節外れの雪。路面に積もることは無かったが、気温が3℃程度と低いこともあり極低温ウェット路面が今年の唐津では戦いの舞台となった。
 
厳しいコンディション、ここで強さを見せたのが奴田原選手組も装着しているADVAN A052。SS1と2こそ福永修選手組にベストを譲ったものの、ギャラリーステージとなるSS3「見帰の滝 1」で奴田原選手組がステージベストを奪取。七山の雪は正午を過ぎても止むどころか勢いを増し、路面の水量はさらに増えて行った。
 
このタフなコンディションで奴田原選手組は、サービスでセッティングを最適化。SS5〜8を新井敏弘選手組に続くセカンドベストであがり、LEG1を20.8秒差の2位でフィニッシュ。唐津を連勝している勝田範彦選手組は6位、102.9秒という大差をつけたLEG1となった。
 
勝負を決するLEG2が行われる8日(日)は、朝方こそ雲が上空を覆っていたものの、競技が始まるころには青空が広がった唐津地方。前日は終日気温が3〜5℃と低く推移したが、この日は最高14℃にまで上昇する春らしい陽気となった。
 
残るSS合計距離は33.36km、20.8秒差の新井選手組を逆転するには0.7秒/kmのペースで先行する必要があるという計算になる。
 
LEG1の順位に従い、新井選手が先頭スタート、これに続く2番手でスタートした奴田原選手組。ともにADVAN A052の新品を装着して臨んだLEG2オープニングの「白木々場 1」で新井選手組との差を3.2秒詰める。さらに続くSS10はロングステージの「三方 1」、タイトでまわりこんだコーナーも多い難攻不落の名物ステージだが、ここでも新井選手組との差を6.6秒詰めて反撃ののろしを上げて行った。
 
PWRC(FIAプロダクションカー世界ラリー選手権)やIRC(インターコンチネンタル・ラリーチャレンジ)などでライバルとして、そして戦友として戦ってきた奴田原選手と新井選手。一騎討ちの優勝争いは、ステージタイム速報やギャラリーステージで見守るファンにとって、目を離せない展開となっていく。
 
そんなファンが見守るギャラリーステージは、昨年から設けられた「古窯の森」。このステージ、昨年は2本ともに奴田原選手組がベストを独占しているが、今年もSS11/12と連続ステージベストを奪取して完全制覇に成功。SS13「白木々場 2」ではセカンドベスト、これで新井選手との差は2.6秒にまで縮まった。
 
ここで少し時間を巻き戻して、SS11と12の間に設定されていたサービスの模様を振り返ってみよう。本大会でのタイヤ使用数上限は8本となっているが、LEG1では途中のサービスで新品を投入するライバルも見受けられる中、奴田原選手組はスタートで装着した新品をローテーションすることもなく8本のステージを走りきっていた。
 
そしてこのLEG2中間サービスだが、LEG2スタート時装着していた新品4本を、LEG1で使った4本へと交換したのである。低温ウェット路面とはいえ、LEG1のSS合計距離は42.72km。ここを2番手で走りきったタイヤだが、その摩耗状態が良好だったため、完全ドライのLEG2前半を走行したタイヤよりもパフォーマンスに優れるという判断である。
 
その背景には、山田淳一チーフメカニックの尽力があった。ADVAN-PIAAランサーを勝てるマシンとして仕上げ、熟成させている山田チーフメカニックが施したセッティング、これが“タイヤに優しく、タイムも早い”マシンを生んでいるのだ。
 
時計の針を元に戻して、いよいよ迎える最終ステージ「三方 2」。注目のタイムは、新井選手組の8分14秒0に対して、奴田原選手組は8分01秒0。最終的には新井選手組を10.4秒逆転、この瞬間にサービスパークでは山田チーフメカニックの笑顔が弾けた。
 
2006年、それまでの4輪駆動部門と2輪駆動部門が統一されて、全日本ラリー選手権が現在のスタイルとなった年から開催されてきた「ツール・ド・九州 in 唐津」。2018年、ライバルの連勝にストップをかけるとともに、ジムカーナとダートトライアルの全日本選手権に続いてラリーでもADVANカラーのマシンが初陣を制することに成功した。



■奴田原文雄選手コメント

「今回は初日に雪が降って気温が上がらなかったのですが、そんな路面でADVAN A052が素晴らしいポテンシャルを見せてくれました。これはコンディションが回復した二日目も同様で、幅広い路面状況に対応してくれたことが、一つ目の勝因です。次にマシンを完璧に仕上げてくれたチームの山田チーフメカニックの働きが二つ目の勝因です。ドライバーとしてはいつも通りに走らせて良いタイムが出るので、二日目の逆転へとつながりました。
我がチームにとっての開幕戦を勝てて幸先よいスタートを切れて、ホッとしています。次の丹後もこの勢いを維持して、連勝に向けて全力を尽くします!!」


>> 詳しいレポートはYOKOHAMA MOTORSPORTS WEBSITEをご参照ください
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