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OUTLINE
 
2014年 全日本ラリー選手権 第2戦 「久万高原ラリー 2014」
開催日程
2014年5月3日(土) 〜 5日(月)
開催場所
愛媛県・久万高原町 近郊
主   催
松山オートクラブ
競技内容
総走行距離 237.68km / SS(スペシャルステージ)数 12本 / SS総距離 68.82km / グラベル(非舗装路面)
天候/路面
DAY 1 : 晴れ / ドライ   DAY 2 : 雨 / ウェット
参加台数
42台
RESULT
総合成績 : 優勝 / JN-6クラス成績 : 優勝

SS1
7.03km
SS2
6.35km
SS3
1.12km
SS4
7.03km
SS5
6.35km
SS6
1.12km
Day1
29.00km
(3) 6:43.5
(2) 7:12.0
(1) 1:08.3
(3) 6:30.4
(2) 7:03.6
(2) 1:08.5
(1) 29:46.3

SS7
9.26km
SS8
9.53km
SS9
1.12km
SS10
9.26km
SS11
9.53km
SS12
1.12km
Day2
24.00km
(2) 10:00.3
(4) 9:24.6
(1) 1:08.1
(2) 9:55.1
(3) 9:31.6
(3) 1:09.8
(3) 41:09.5

Total
68.82km
(1) 1:10:55.8


カッコ内はステージタイム順位。
NUTAHARA'S REPORT COMMENT
今年もゴールデンウィークの開催となった、第2戦「久万高原ラリー」。今シーズンのグラベル(非舗装路)緒戦は、四国の軽井沢とも称される愛媛県の久万高原町を舞台に開催された。標高1,000mの美川スキー場跡地にサービスパークやヘッドウォーター(大会本部)が設けられるのは例年通り、スキー場のゲレンデ跡に設けられるギャラリーステージなど全12本のSS(スペシャルステージ)、合計68.82kmで競われる。

本大会はSS距離こそ開幕戦の唐津と同等だが、総走行距離は237.68kmと唐津より80kmほど短いコンパクトなレイアウト。しかし、カーブレイクラリーの異名を持つタフなステージが特徴であり、ガレ場主体でところによっては拳ほどの大きさの石も多く見られるステージは、容赦なく牙を剥いてくる。
開幕戦で準優勝を飾っている奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組にとっては、シリーズチャンピオン奪還に向けて重要な一戦。Day1のSSは6本/29.00km、Day2も6本のSSで合計39.82kmと、二日目の方が若干距離が長く、最後の最後まで気を抜けない走りが求められるところだ。

レッキが行われた3日(土)に引き続き、Day1の4日(日)も朝から気持ちよい青空に恵まれた久万高原町。ゼッケン2をつけるADVAN-PIAAランサーも、連休ということもあって多くのギャラリーが見守る中で戦いへとスタートしていった。

しかし、オープニングのSS1「大谷支線T(7.03km)」で、いきなりのハプニング。このステージはスタートしてしばらく舗装区間となるが、3つめから4つめというスタートしてすぐの左コーナーで姿勢を乱して右リアを立ち木にヒットしてしまう。ややマシンのバランスに難があったが故の出来事だったが、無残にもリアバンパーの右半分が外れかけ、フェンダーも大きくダメージを受けてしまう。
さらに右リアのバンパー内側にはACD(アクティブ・センター・デファレンシャル)のポンプが配されているが、ここが損傷してしまったためにデフフリーの状態となってしまった。
しかし不幸中の幸いだったのは、アライメントこそ狂ってしまったもののタイヤにフェンダーなどが干渉しなかったので、パンクなどを喫することなく走行を継続できたこと。さらにリアバンパーが完全に脱落することは無かったので、ナンバープレートもしっかり車両についた状態が保持されていたことだ。

このハプニングでタイムロスを喫したものの、3番手でオープニングステージをあがった奴田原選手組。続くSS2「安田T(6.35km)」は下りステージだったので、マシントラブルの影響は小さく、奴田原選手の巧みなドライビングでリカバリーしてセカンドベストを叩き出す。そしてなんと、セクション1の締めくくりとなるギャラリーステージ「スキー場T(1.12km)」ではステージベストをマークして、1回目のサービスへとマシンを運んできた。

連絡を受けていたメカニック陣は、30分という限られた時間の中でできる限りの修復作業を展開する。破損したフェンダーは急遽ダンボールなどを活用してリペア、ACDについては完全修復する時間の余裕が無いため、Day1最後のサービスでの修復作業に向けた準備を整えていく。

セクション2は再び3本のSSをリピートする流れだが、ステージベストにこそ届かなかったものの、コンスタントに速さを見せてDay1を走りきった。その結果トップで折り返すことに成功、満点デイポイントも獲得。セクション2を終えてパルクフェルメに入るまでの45分サービスではACDポンプも修復され、Day2に向けての準備は整った。

一夜明けた久万高原町は、未明からの雨がステージを濡らしていた。トップ走者として臨む奴田原選手組、「大野ヶ原線T(9.26km)」をセカンドベストであがり上々の滑り出し。
しかし好事魔多し。続く「大谷T(9.53km)」ではタフな路面からスピンの洗礼を受けてしまい、トップから約13秒落ちの4番手タイム。果たして大野ヶ原と大谷で連続ステージベストを奪ったのは同じヨコハマタイヤを装着する新井敏弘選手組、大野ヶ原を終えて2番手に浮上すると猛チャージを続けてきた。

勝負は完全に、新井選手組との一騎討ちという展開に。

セクション3最後の「スキー場V」でベストを奪って、奴田原選手組も逃げきりを図る。勝負は最終のセクション4、林道SSを2本終えてトップを守る奴田原選手組と、追う新井選手組のタイム差は僅かに1.3秒。残るは最終SSの「スキー場W」、雨の中でギャラリーが見守る1.12kmのショートステージで勝負は決することとなった。

先にスタートした奴田原選手組、フィニッシュしてコールされたタイムは1分09秒8。マシンは前日のハプニングから修復されているとはいえ、決して完璧な状態ではない。ゆえに奴田原選手自身も「逆転されるかも?」と、最終TC前では素直な心境を口にした。
そして新井選手のタイムは……。1分09秒0。これにより0.5秒という僅差で逃げきり、奴田原選手組が今シーズン初優勝を飾ることに成功した。



■奴田原文雄選手コメント

「SS1ではちょっとマシンのバランスが狂っていたのか、いきなりテールが流れだしたら止まらなくなって立ち木にぶつかってしまいました。ただ、ACDは壊れたものの、走行そのものは続けられる状態でしたし、次の安田が下りだったので影響が小さかったのはラッキーでした。
デフがフリーになってしまったので苦しい面はあったのですが、そこは経験値を活かしながらドライビングでカバーしていった感じです。初日をトップであがれてデイポイントも満点を獲得したのは大きかったですね。

二日目は雨になってコンディションが厳しくなりましたが、前日のパルクフェルメインまでの45分サービスではACDが完全に修復されました。限られた時間のサービスですが、1回目でボディまわり、2回目ではしっかりACDを修復できたのは、伝統ある名門チーム・タスカエンジニアリングの本領発揮というところでしょうか。こうした場面では経験値がものを言うところですが、国内外のラリーシーンを戦い抜いてきたチームが持つ実力というか、受け継がれているパフォーマンスを実証した結果だと思います。

新井選手も激しく追い上げてきたので本当に最後まで全力でぶつかりあう展開になりましたが、マシンの走行性能が見事に修復されたことで、しっかり戦うことができました。後半は霧も出てきて視界がきかない場面も多かったのですが、そこはコ・ドライバーの佐藤選手もペースノートのリーディングを状況にあわせてアレンジしてくれるので、最後までリードを守ったまま走りきることができました」


>> 詳しいレポートはYOKOHAMA MOTORSPORTS WEBSITEをご参照ください
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