[NUTAHARA.com｜Report＆Photo] 2014年全日本ラリー選手権第1戦参戦レポート

昨年の最終戦からおよそ5ヶ半の長いオフシーズンも終わり、2014年の全日本ラリー選手権が今年も九州は佐賀県唐津市を迎えた。「ツール・ド・九州 in 唐津」は2006年から開幕戦としてお馴染みの一戦。桜前線は既に通りすぎた唐津地方、レッキが行われた金曜日は20度を超える暖かな陽気の中でラリーウィークがスタートした。

レッキが終わった後、金曜日の夕方には恒例の安全祈願とセレモニアルスタートが、唐津市役所に隣接する唐津神社で行われた。今年の全日本ラリー選手権はクラス区分が再編され、奴田原文雄選手／佐藤忠宜選手組の「ADVAN-PIAA ランサー」は新生JN6クラスに区分される。このクラスには同じヨコハマタイヤを装着する有力選手の参加が一気に増え、勢力図も書き替わりそうな勢いだ。
そんな中、昨年は準優勝を獲得した唐津、奴田原選手組は優勝を唯一の目標として、セレモニアルスタートでは集まった多くの市民からの声援を背に戦いへと旅立っていく。

土曜日のDay1は本大会最長となる「三方(10.54km)」を2回、「林の上(4.25km)」と「黒木平(3.24km)」を3回ずつリピートして、最後にギャラリーステージとしてお馴染みのダム沿いの道を走る「肥前(0.90km)」を2回連続で走行するというアイテナリー。朝一番のオープニングから大会最長のステージが用意されるだけに、まずは1ループ目の戦いぶりに注目が集まる。

この1ループ目、残念ながら奴田原選手組にとっては厳しいものになってしまった。マシンのセッティングにややアンバランスな部分があり、オープニングの「三方 1」はトップから10.2秒差の3番手と出遅れを喫してしまう。奴田原選手は走行後にサスペンションなどの微調整を施して続くステージへと臨むが、残念ながら1ループ目ではステージベストを奪うに至らず、3つのSS(スペシャルステージ)を終えてトップの勝田範彦選手組から11.8秒差の3番手となった。

1回目のサービスでは足回りを中心に対策を施し、セクション2へと臨む。この対策は功を奏し、リピートとなる「三方 2」では2番手の新井敏弘選手組に1.4秒差、3番手の勝田選手組には2.9秒差をつけるステージベストをマーク。この勢いは留まることなく、「林の上 2」も連続ステージベストを叩き出して、差を詰めていく。

セクション3に入ると「林の上 3」では再びステージベスト、「黒木平 3」ではこのステージで初のベストをマーク。総合3番手は変わらないが、最大11.8秒あった勝田選手組との差を0.8秒にまで縮めていく。そして大勢のギャラリーが待ち受ける「肥前」。0.90kmというショートステージだが、1本目では後続を1.2秒引き離すダントツのステージベスト、これで一気に勝田選手組をかわして総合2番手に浮上。さらに2本目はなんと1本目と全く同じ40秒3のタイムで連続ベストを奪取、Day1を新井選手組に続く2番手であがった。

天気予報では雨と伝えられていたDay2が行われる日曜日。未明には唐津市内でも雨が降り始め、道路のアスファルトは黒く光るまでに濡らされた。新井選手組に続く2番手スタートで迎えたこの日、もちろん山中の林道ステージもウェットコンディション。新たに設けられた「塩木」のステージ1回目をあがり、続く「白木木場 1」に臨んだ奴田原選手組だったが、ここでインの段差に右リアをひっかけてしまい、タイヤにダメージを負ってしまう。

残念ながらトップから9.1秒遅れとなり総合順位も3番手に後退、その後2回目の「塩木」「白木木場」とベストを連発して挽回を期するもあと一歩届かず、昨年に続く準優勝という結果になった。

■奴田原文雄選手コメント

「今年もランサーエボリューションⅩで全日本ラリー選手権を戦いますが、もちろん目標はチャンピオン奪還です。緒戦の唐津は昨年が準優勝だったので、今年は優勝したいと考えていました。
Day1はオープニングの三方を走って、セッティングなどがいまひとつ合っていないと感じたので、SS2のスタート待ちの間にダンパーを調整するなどしてしのぎました。そしてサービスで大きく修正を施したのですが、これがうまくいって2ループ目はタイム的にもベストを奪うなど良い方向に行きましたね。
Day2は雨の降り方も一定しない難しいコンディションでしたが、白木木場で右リアタイヤをインに引っかけてしまい、大きくタイムロスを喫してしまいました。雨だったこともあってロスは最小限に留めることが出来ましたが、残念ながら結果としては優勝に届きませんでした。
次の久万高原からはグラベル(非舗装路)ラリーが3連戦となるので、気持ちを切り替えて3連勝出来るように全力を尽くします」

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