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2011年 全日本ラリー選手権 第5戦 「第39回 M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ」
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開催日程
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2011年7月9日(土) 〜 7月10日(日)
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開催場所
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岐阜県・高山市 近郊
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主 催
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M.C.S.C.(松本・カー・スポーツ・クラブ)
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競技内容
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総走行距離 255.91km / SS(スペシャルステージ)数 12本 / SS総距離 58.64km
/ ターマック(舗装路面)
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天候/路面
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DAY 1 : 晴れ / ドライ DAY 2 : 晴れ / ドライ
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参加台数
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38台 (全日本選手権JN4〜JN1)
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総合成績 : 優勝 / JN-4クラス成績 : 優勝
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SS1
5.55km
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SS2
2.46km
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SS3
5.55km
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SS4
2.46km
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SS5
5.44km
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SS6
5.52km
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SS7
5.44km |
SS8
5.52km |
* 4:30.1
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* 1:50.7
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* 4:29.4
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* 1:48.4
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* 4:12.6
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4:23.9
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4:11.8 |
4:22.7 |
SS9
4.10km
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SS10
4.10km
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SS11
6.25km
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SS12
6.25km
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TOTAL
58.64km
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3:26.4
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* 3:22.6
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5:13.9
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* 5:09.2
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47:01.7
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「*」印はステージベストタイム。
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全8戦の全日本ラリー選手権は後半戦に突入。その皮切りとなる大会が、岐阜県高山市で開催されました。
「M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ」は今回で第39回を数える伝統ある一戦。昨年までは秋の開催が恒例となっていましたが、今年は7月のカレンダーに変更。ラリーウィークに入って梅雨明けも発表され、2日間の日程を通じて快晴かつ厳しい暑さに包まれた一戦となりました。
第2戦の久万高原、第3戦のひむかと、グラベルラリーで2回の優勝を飾っている奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組。今回のハイランドマスターズは開幕戦の唐津以来となるターマック(舗装路)ラリーとなり、チャンピオン奪還に向けてターマックでの優勝を大きな目標のひとつに掲げている奴田原選手組にとっては、とても重要なラリーに位置づけられました。
DAY1は土曜日の正午に1号車がスタート。SS1/SS3、SS2/SS4と2本の林道をリピートするセクション1、SS1「無数河下り・T(5.55km)」、SS2「牛牧上り・T(2.46km)」とステージベストをマークした奴田原選手組ですが、同じランサー・エボリューション]の福永修選手組もコンマ1秒単位まで全くの同タイム。
2本のステージを終えてトップの2台が同タイムという接戦で幕を開けたハイランドマスターズ、気温は優に30度を超えて路面温度も高くなる中、リピートステージとなるSS3とSS4では奴田原選手組が単独ステージベストを叩き出して、福永選手に3.7秒差をつけてサービスイン。
このサービスは戦略の分かれ目となり、4本のタイヤを全て交換した福永選手組をはじめとしたライバル勢に対して、奴田原選手組はフロント2本のみを交換。全日本ラリーでは大会ごとに規則で使用できるタイヤの本数が定められていますが、今回は2日間を通じて10本が上限と定められています。
スタートで履いていた4本を差し引くと残りは6本。サービスで全てのタイヤを交換すると8本を使ったことになり、残りは2本となります。これに対して奴田原選手組は2本のみの交換に留めたため、DAY2のスタートから4本全てを新品タイヤで戦えることになります。
セクション2に入った最初のSS5「牛牧下り・T(5.44km)」、奴田原選手組は5連続となるステージベストを奪い、4本全てに新品タイヤを装着しているライバル勢を圧倒。しかし気温/路温が下がってきた夕方にかけての終盤3ステージではライバル勢がタイムアップ、惜しくもDAY1の締めくくりとなるSS8「無数河・上りU(5.52km)」では福永選手の逆転を許して、0.8秒という僅差の2番手でこの日を終了。
一夜あけた日曜日のDAY2、この日の戦いの舞台はサービスパークから20kmほど離れたところにある“鳥屋峠”。このステージが全日本選手権で使われるのはハイランドマスターズがターマックで競われるようになってから初めてのこと。
ここを前半で上り方向、後半では下り方向にそれぞれ連続で2本ずつ走る、合計4本のステージで決着がつけられます。このステージ、道幅は決して広くなく、かつ路面の一部は苔に覆われており、さらに湧き水が道を濡らしているという難しいコンディション。特に後半の下りステージは一気に大きな標高差を駆け下りるかたちになるスリリングかつチャレンジングなもので、多くの選手が口を揃えて「あそこで勝負を賭けるのはためらわれる」と言うほどでした。
しかし、福永選手との接戦は、DAY2に入ってドラマティックな展開を見せていきます。
まずは上り方向を2本で競う前半、オープニングのSS9では福永選手組がステージベストを奪って奴田原選手組との差を1.2秒に拡大。続いてリピートとなるSS10は奴田原選手組がステージベスト、福永選手組は4番手に留まったこともあって、ここで一気に逆転して奴田原選手組が1.5秒差をつけてラリーリーダーの座を奪還。
下りに転じたSS11、再び福永選手が組ステージベストを奪いましたが、2番手で続いた奴田原選手組とのタイム差は1.4秒。そうです、最終SS12を残して、トップの奴田原選手組と2番手の福永選手組の差は、僅かに0.1秒となったのです。
僅か0.1秒、されど0.1秒。ひとつのミス、いや、ほんのちょっとしたアクセルやブレーキのタイミングひとつで生じてしまう0.1秒の違い。こうなるとマシンの完成度やドライバー&コ・ドライバーの技量はもちろんですが、極限の勝負で100%を出し切れるか否かの精神力の勝負という側面も強くなってきます。
SS11、福永選手組のタイムは5分12秒5。対する奴田原選手組は5分13秒9であがっています。
両者のタイムに注目が集まるSS12がスタート、先にスタートした福永選手組のタイムは5分10秒2。見事に2秒3のタイムアップを果たしてきました。そして続く奴田原選手組。こちらは渾身のアタックで5分09秒2と、自らのタイムを4秒7も縮めて一気に福永選手組との差を1.1秒に拡大。
やはり当初の予想通りに鳥屋峠で勝負は決っし、奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組が壮絶な一騎討ちを制して今季ターマック初勝利を飾り、シーズン3勝目を挙げることに成功。これでシリーズランキングでも勝田範彦選手/足立さやか選手組を退けてトップの座を奪い、チャンピオン奪還に向けての勢いはますます加速する流れになってきました。
■奴田原文雄選手コメント
「今回は本当に厳しい戦いでしたね。DAY1を終えて0.8秒差、最終ステージを残して0.1秒差、こんな僅差で競り合い続けることも珍しいような気がします。でも、最後には“タイヤ温存作戦”も功を奏して、筋書き通りに優勝することが出来ました。特にターマックで勝ちたいと思っていましたから、ここで勝てたことは嬉しいですね。
次は、この勢いでポルトガルのアソーレスへと乗り込んで、IRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)でも良い成績を残してきたいと思いますので、こちらも応援よろしくお願いします!」
【>> 詳しいレポートはADVAN MOTORSPORTS WEBSITEをご参照ください】
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