正月気分の抜けきらない1月22日、モナコから吉報が届いた。
「伝統と格式の一戦『モンテカルロ・ラリー』で奴田原文雄選手が日本人初優勝を飾る」
このニュースは瞬く間にラリー関係者やファンの間を駆けめぐり、この偉業を多くの人が祝福した。
しかし、結果的には祝福はこれだけに留まらなかった。新たにイギリス人の若きコ・ドライバーとペアを組んだ奴田原選手の快走は留まることなく、凱旋ラリーとなった「Rally
JAPAN」でPWRC2勝目を飾り日本のファンを喜ばせた。さらに続く「The Cyprus
Rally」もタフな一戦を制して堂々の3勝目を挙げる。惜しくもシリーズタイトルにこそあと一歩届かなかったものの、「ヌタハラ」の名は速く・強い日本のラリードライバーとして世界に轟くことになった。
また全日本選手権も中盤の4連勝など好調な走りを見せ、この年から総合ランキング制などが導入された全日本選手権において、前人未到の5年連続チャンピオンに輝いた。
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